2007年04月03日

"Grimm Love" DVD 5/29豪州発売

3月末にEzyDVDからメールが来た。いつもの Price Reduction とかのセール通知ではなくて、予約注文したDVDの発売日変更通知。「Grimm Love - Release Date Change」とな。5/29発売になったそうです。って、もともと5/28発売予定ではありませんでしたっけ?律儀なやっちゃ。
念のためEzyのサイトに行ってよくよく見たら、前より値段が5AU$お安くなってた! GST freeでも4AU$は安くなってありがたし。意外に予約注文が多くてロット数増やしたんでしょうかね。

こんな発売日変更通知メールなんて初めてもらったから、一瞬、発売中止通知かと思って焦りました。なんせ、タイトルこそ異なれど中身はドイツで公開差し止めになった "Rohtenburg" ですから。(←物語のモデルの服役中の殺人犯がドイツ公開差し止めを要求して認められた。ドイツは死刑も事実上無期懲役もないから社会復帰に差し支えがあるとの判断らしい。)

無事に出て手元に届いておくれ〜 (-人-) なむなむ。
ラベル:Thomas Kretschmann
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2007年06月11日

もうひとつの肉祭り:Grimm Love

またのタイトルを "Rohtenburg"。過日、DVD(High level violence, Adult theme のために18禁)が無事に手元に届いて鑑賞三昧。
2001年にローテンブルクで実際にあった喰人事件(Armin Meiwes - Wiki [英語])をモチーフにした作品。ドキュメンタリーではないのでまんま事件をなぞってるわけではありませんが、犯人のMeiwesが「自分の事件を表現しているとしか思えない作品が当事者の同意なしに製作されプライバシーを侵害された」として提訴。ドイツ公開直前の2006年3月に高等裁判所の判決が下り、ドイツ国内無期限上映禁止。その段階ではMeiwes、過失致死で懲役8年半だったけど、検察の異議申立てがあり控訴審の結果殺意が認定され、2006年5月に殺人罪で無期懲役刑になってます。その段階ではMeiwes、故殺で禁固8年半だったけど、検察の異議申立てがあり控訴審の結果計画的殺意が認定され、2006年5月に謀殺で終身禁固刑になってます。
本作はドイツ以外では特に上映禁止にはなっていないらしく、2006年10月にはカタロニア国際映画祭で監督賞・撮影賞・男優賞(T.クレッチマン、T.フーバー同時受賞)の三冠に輝いてます。
ローテンブルクと言えば、月一回くらい町をあげて目抜き通りで中世コスプレ大会やってくれるメルヘンな観光都市。前に行ったことあるけど、老若男女似合ってて眼福でした。
以下ネタバレ感想。
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ラベル:Thomas Kretschmann
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2007年06月23日

Rohtenburg 関連記事(1)

映画 "Rohtenburg" の元になった事件の刑事訴訟の第一審判決破棄、控訴審へという記事。げ グロビデオの一部を配信しちゃっていたのか!

http://www.zeit.de/2005/17/BGH
ZEIT online - Politik - bgh: Armin Meiwes muss mit lebenslanger Haft wegen Mordes rechnen

ZEIT online 2005年4月22日
Armin Meiwes には謀殺罪で終身禁固が妥当
最高裁判所、通称ローテンブルクの喰人鬼に対する控訴請求受理


「ローテンブルクの喰人鬼」は控訴審において謀殺*罪で終身禁固を求刑される。 Armin Meiwes は被害者自身の要望により殺害し、その遺体を解体し、食べ、その様子を録画していたとされている。金曜日(2005年4月22日)、最高裁判所は Meiwes に下されていた故殺**罪判決を破棄。最高裁は司法史上センセーショナルなこの事件について、快楽殺人として謀殺したとして、インターネットで被害者と接触して2001年3月に殺害したこの43歳の男に関する控訴審を認めた。
* 謀殺(Mord):計画的殺意ありの殺人
**故殺(Totschlag):殺意あり、ただし計画的殺意によるものではない殺人。いわゆる「かっとなって」の類

2004年1月にカッセル地方裁判所は、このコンピューター技師は幼少時より喰人願望に駆り立てられていたとして、8年半の禁固を科した。カールスルーエにある最高裁判所は「故殺による解体についてのみを対象とし、謀殺による解体については対象外とした法的審査は無効である」と判決を下した。最高裁判所は控訴審をフランクフルト(aM)地方裁判所で行うよう命じた。第二刑事部が連邦検事の控訴に応じた。一方 Meiwes も、被害者の要望を完遂しようとしたための過失致死であると主張、減刑を求めて控訴したが、判事は却下した。

最高裁裁判長 Ruth Rissing-van Saan によれば、カッセル判決には「抜本的な法的懸念」があるとのこと。一連のいわゆる謀殺指標を判事が不当に忌避したとしても、分類に従えば謀殺も故意の致死に包含されるべきなのである。同時に最高裁は、刑事被告人は責任能力を有していると地方裁判所が判断したことを正当であるとした。

残酷な屠殺行為の録画ビデオは被告人にとって性的幻想を満たすべき直観対象とも考えられるので、最高裁によれば、争点は性衝動を満たすための謀殺かどうかである。「 Meiwes が、当該ビデオを鑑賞し自慰行為にふけるために殺害したことを認めないわけにはいかない」と裁判長。この点において地方裁判所の証拠判断には「矛盾があり、不備がある」。その上 Meiwes の場合、すでに屠殺そのものに性的背景があり得るという。思春期から抱き続けた彼の性的背景に、喰人幻想と結合した快楽の獲得が加わり、当該犯行に及んだわけである。

Rissing-van Saan 裁判長は無味乾燥な法律用語で、若い男を胃の腑に収めたいという欲求に駆り立てられた Meiwes が、ベルリンの技師である被害者とインターネット経由で何度かやりとりした末、ヘッセン州東部、フルダ川沿のローテンブルクのホテルで会い、どのようにかき口説いたかを述べた。極度にマゾヒズム体質のこの技師は、自分の局部を切り取られることが「究極の歓喜」であると期待し、殺害−それについては法廷でことさら詳細に述べられた−されることを承諾した。

控訴審でフランクフルト地方裁判所は謀殺以外の違法行為に相当するかについても審議する。最高裁判所の見解では、被害者を解体したことは死体損壊罪である。加えて、 Meiwes は録画ビデオの一部をインターネットで配信した。これは暴力的ポルノの配信に相当しよう。最高裁判所によれば、グロテスクな動機による謀殺とも考えられる。裁判長によれば、これほどの厄介な訴訟の控訴審は小規模な裁判所には荷が重いであろうという理由でカッセル地方裁判所で差し戻し審判を行わないとのこと。


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Rohtenburg 関連記事(2)

服役中の犯人が自分の事件を許諾なく映画化したといって映画 "Rohtenburg" の制作会社を訴えた民事訴訟判決についての記事。実際の事件と映画の一致点が88点って、そんな箇条書きマジックなことを言われてもねえ。とりあえず、犯人の人格権の保護を理由にドイツ国内上映禁止の仮処分が下ってます。だけど、民事訴訟では、債権者の申し立てを受けて債務者に対する保全命令(仮処分)が裁判所から出た後、可及的速やかに債権者が本案訴訟を提起して実際の処分が決まる(保全命令 - Wikipedia)ということなので、記事の中盤にあるように、服役中の犯人が本案訴訟を起こさ(せ)ない場合は仮処分撤回の可能性がなきにしもあらず。
ポイントを押さえた作品のあらすじ紹介からすると、この記事のライターはきちんと "Rohtenburg" を鑑賞済みという印象。リベラルなシュピーゲル誌らしく、表現の自由を主張する制作会社寄りの立場の書き方の記事ですわな。

http://www.spiegel.de/kultur/kino/0,1518,404160,00.html
Verleih nennt Filmverbot verfassungswidrig, 03.03.2006, Spiegel Online

Spiegel Online 2006年3月3日
配給差止判決は違憲
“ローテンベルクの喰人鬼”ことアーミン・マイヴェスに提訴されていたホラー映画 "Rohtenburg" に上映禁止の判決が下った。フランクフルト(aM)高等裁判所の判決は違憲であるとして制作会社と配給会社は芸術表現の自由を主張。

フランクフルト(aM)発/喰人を描いた映画作品 "Rohtenburg" のドイツ国内上映禁止の判決が下った。ロッセリーニの "Rom, offene Stadt" (邦題:ローマで夜だった無防備都市)は、映画産業界の倫理規定自主管理(FSK)の要望により、ドイツの犯罪に関する表現の見解が国民的合意と矛盾するという理由で1950〜1961年の間公開されなかった。1976年にはパゾリーニの作品 "Salò - oder die 120 Tage von Sodom" (邦題:ソドムの市)がわいせつ表現を理由に上映を禁止された。両作品とものちに解禁されている。

今日(2006年3月3日)カッセルにあるフランクフルト高等裁判所第14民事部で下された "Rohtenburg" の上映禁止判決は、世に言う「ローテンブルクの喰人鬼」 Armin Meiwes の人格権の重大な侵害を根拠とした。当該作品は「 Meiwes 自身の生育史ならびに生育史に含まれる家族の特徴、既往歴、および、犯行をほとんど事実に即して再現している」としている。判事の見解によれば、ドイツ犯罪史上比類のない犯行を通して Armin Meiwes があまねく知られているといって、「予め同意を得ることなく当該人格を実写ホラー映画のテーマとし、集客のためだけに娯楽映画の製作が許されること」はないとしている。

制作会社 Atlantic Streamline は、高等裁判所の判決は芸術表現の自由と映像による報道の自由の侵害であるとした。制作会社には、当該映画が「プリントされた場合、入札された場合、あるいは他の流通手段で鑑賞に供された場合」に、罰金25万ユーロまたは6ヶ月以下の勾留が科されている。控訴による本判決取消は民事訴訟上ない。対抗手段は、違憲抗告しかない。

Atlantic Streamline は、ドイツ人プロデューサー Marco Weber が1993年カリフォルニアで立ち上げた映画制作会社である。"Rohtenburg" 製作費は推定500万ドル以上。Meiwes の弁護士 Harald Ermel の申し立てによれば、配給権は40万ユーロ。2005年10月に Senator Entertainment AG 株の50.1%を Helge Sasse と共同で取得した Marco Weber は配給権料も負担している。プロデューサーは、あくまで Armin Meiwes の事件そのものを描いた作品ではなく、事件にインスパイアされた作品であると反論している。

本日午後、Atlantic Streamline の顧問弁護士は配給会社 Senator に、午前の判決を受けて当社株式の急落もないし負担金の増額もあり得ないと公式に伝えた。「配給会社に実害はない」と Helge Sasse は言い、同時に、制作会社は本案訴訟で徹底抗戦すると発表した。そのためにはまず、高等裁判所で、服役中の原告 Armin Meiwes に本案訴訟の必要があるのかが審議されることになる。本案訴訟を起こさない場合、申し立てに対して本日下った仮処分執行が撤回される可能性もある。

制作会社の不服申立が通らない場合には「我々は連邦憲法裁判所まで持ち込む」と法務代表の Sasse は予告した。 Sasse は本件に関わる映画配給会社 Senator の筆頭役員も兼任している。彼の見解は、高等裁判所判決はただ「全く納得できない」というのではなく、基本法と相容れない、裁判での当該テーマの取扱いは「途方もなく軽卒」であり「司法、とりわけ連邦憲法と甚だしく矛盾している」ということである。

裁判所の判断が本案訴訟審理において追認された場合、それはまさに映画産業と映画芸術に壊滅的な影響を及ぼす、とは Sasse の弁。「今後存命の人物の映画芸術的表現すべてが対象人物の賛同や利潤追求に左右されるようなこと」があってはならない、としている。

本作はヴッパータールで撮影されているが使用言語は英語で、原題は "Butterfly. A Grimm Love Story" である。 Butterfly は二人の男が抱き合い、その影が映っているのを見て「蝶のようだね」というシーンからとったものである。ドイツ童話作家の名 Grimm で陰惨な話と察しがつく。

にもかかわらず、"Rohtenburg" は、喰人事件を全くの他人事としてではなく描いた、並でなく美的で映像も美しい作品である。あるアメリカ人女性が犯罪心理学研究論文を執筆するための調査という形で背景やカニバリストの母の死が事実と異なって描かれているが、決定的に異なる会話も出てくる。目下フランクフルト地裁で改めて謀殺罪で審理されている Armin Meiwes の供述では、43歳のBernd B. の局部を切断したのち、死んだものと思って首を切断したということである。映画ではカニバリストの Oliver Hartwin (Thomas Kretschmann) が被害者の Simon に「今やってほしいか?」と尋ね、 Thomas Huber が演じる Simon がうなずく、となっている。

当該作品では、カニバリストと被害者は強迫観念でがんじがらめになった二人の男という設定で、人肉を食べることは仲間を身の内に取り込むための作法だという Meiwes が供述した動機を一切省いている。高等裁判所判事による判決によれば、 "Rohtenburg" は一見して Meiwes の私生活および犯行とわかる表現内容で、本作品の公開は「ホラー映画の病んだ人物像描写を通して」彼に不利益を生じせしめるとのことである。作中、 Meiwes の実生活との一致点が計88か所見受けられたそうで、裁判所はこれを十分な根拠とし、人格権が芸術表現の自由に優先するべきであるとしている。

Meiwes は自分の事件がフィクションとして映画化されることに同意してはいなかった。が、テレビドキュメンタリー作成は許可した。ハンブルクの製作会社 Stampfwerk は、事実に沿ったジャーナリスティックな演出でこの事件と彼の背景を、特にインターネット上の人肉嗜食家フォーラムの描写に、フランクフルト地裁への当該訴訟後、着手しなければならない。


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Rohtenburg 関連記事(3)

控訴審判決の報。ドイツでは終身刑くらっても釈放の可能性が結構あるそうで、びっくり。
http://www.germnews.de/gn/2006/05/09
DEUTSCHE AUSGABE
Di, 09. 05. 2006, Artikel Nr. 15

ドイツ国内ニュース2006年5月9日 見出し15
「ローテンブルクの喰人鬼」終身禁固

フランクフルト(aM) 発/通称「ローテンブルクの喰人鬼」こと被告 Armin Meiwes に対し、謀殺*罪で終身禁固刑という控訴審判決が下された。第一審でこの44歳のコンピューター技師は、カッセル地方裁判所より故殺**罪で8年半の禁固刑を下されていた。フランクフルト地方裁判所判事は、第一審よりも重い量刑を言い渡したことになる。といって、特段重い実刑を科したことにはならない。終身禁固とはいえ、15年後の状況次第では釈放の可能性もある。 Meiwes は2001年、知人を合意の上殺害し、その遺体を切り分け平らげたとされている。

* 謀殺(Mord):計画的殺意ありの殺人
**故殺(Totschlag):殺意あり、ただし計画的殺意によるものではない殺人。いわゆる「かっとなって」の類


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Rohtenburg のプロデューサー+小ネタ

"Grimm Love" またのタイトルを "Rohtenburg" 監督の Martin Weisz のサイトニュースとRohtenburg 関連記事 (1) (2) (3) をまとめて事件関連の訴訟と製作を時系列で並べると、こんな感じ。

2001年3月
 本家「ローテンブルクの喰人鬼」事件発生
2004年1月
 刑事訴訟:第一審判決@カッセル地裁
  Meiwesに故殺罪で禁固8年半
2005年1月
 "Rohtenburg" 監督、出演者決定
2005年3月
 "Rohtenburg" 撮影@ヴッパータール(ケルンの近く)
2005年4月
 刑事訴訟:最高裁が検察の控訴受理
2005年5月
 "Rohtenburg" 編集@LA
2005年10月
 プロデューサーのWeber&弁護士の Sasse、
 配給会社 Senator Entertainment AG 株の過半数取得
2006年3月
 民事訴訟:仮処分@フランクフルト(aM)高裁
 "Rohtenburg" 公開寸前に独国内上映無期限禁止命令
2006年5月
 刑事訴訟:第二審判決@フランクフルト(aM)地裁
 Meiwesに謀殺罪で終身禁固

2008.10.5追記↓その後つづきがありました〜。
Rohtenburg 関連記事 (4)参照。


2007年7月
 民事訴訟:本案訴訟(たぶん)@カッセル地裁
 "Rohtenburg" 独国内上映無期限禁止判決
2008年6月
 民事訴訟:反訴(たぶん)@フランクフルト(aM)高裁
 "Rohtenburg" 独国内上映無期限禁止判決。
 結局2006年3月の仮処分を追認
2008年7月
 製作側、連邦最高裁判所に違憲抗告

2009.5.30追記↓さらにつづき。
Rohtenburg 関連記事 (5)参照。


2009年5月
 違憲抗告@連邦最高裁判所
 "Rohtenburg" 独国内上映無期限禁止決定を破棄、上映許可

事件もさることながら、プロデューサーの Marco Weber や弁護士の Helge Sasse が結構くせ者でした。Sasse は、顔が広いところを利用して毎年自分の誕生日にチャリティーコンサートを企画したりするようなケルンの弁護士で、2003年は老舗ヘビメタバンド Scorpions のコンサートだったそうな。そんな法律顧問と組んで、 "Rohtenburg" 製作とほぼ平行して配給会社株の過半数取得ってことは、公開に横やりが入るの予測していたってことだよなあ。この配給会社の新レーベル Autobahn はほかにもドイツの並の配給会社なら尻込みするような作品ばかりを狙って配給するみたいです。

などといろいろほじくりかえしてわかったこと。2006年10月のカタロニア国際映画祭でクレッチマンと2ショットで映っているおじおにーさんは Marco Weber でした。
お二方のお子たちがLAで同じ学校に通ってるという記事がどっかにあったはずだ〜と探したけど、結局見つけられずじまい。そのかわり、クレッチマンのお子たちが通っている学校には G.オールドマンのお子とか A.パチーノのお子とかも通っているなどということが書いてあるインタビュー記事を見つけてしまいました。なんだそりゃ。濃いおとーさん揃いな学校だ。記事はライターの Katharina von der Leyen さんのサイトの arbeiten から AMICA Ausgabe Nr.4/2006 を探したまえ。太っ腹にクレッチマンインタビュー記事pdfファイルをダウンロードできます。この記事、自宅の壁ぶち抜いて自分でテラス造ったとか、インテリアコーディネートは自分でやったなんてのも書いてありますねえ。相変わらずおうちまっしぐらなおとーさんだ(笑)。
Katharina さんのサイト、ペットもかわいいですよ〜。
ラベル:Thomas Kretschmann
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2008年10月05日

Rohtenburg 関連記事(4)

映画 "Rohtenburg" の訴訟関連続報。
作品主人公のモデルとされる服役中の殺人犯が訴訟を起こして、ドイツ国内配給・上映禁止の仮処分が下ったのが、公開直前の2006年3月。その後2007年7月にドイツ国内配給・上映禁止の判決がいったん出て(これが本案訴訟の判決だと思う)、製作側が高等裁判所に控訴していたみたいです。それが2008年6月に結審、製作側の不服申立は棄却されて、「当該作品の描写は人格権の侵害だ、たとえ犯罪者でも、人格権の保護>芸術表現の自由」という理由でドイツ国内での "Rohtenburg" 配給・上映禁止覆らず。
なるほど、それで2008年6月末の "Wanted" 全米公開時、クレッチマンが共同記者会見で "Grimm Love"("Rohtenburg" の別タイトル)について「ドイツで上映禁止になっちゃった出演作で」とわざわざ言及していたわけね。

"Grimm Love (Rohtenburg)" は、どちらかといえば犯人を非人格化して高見の見物をきめこみたいテーマを扱っているのに、生い立ちや被害者との関係を通した描写で歪んでるなりに理解できる人格を敢えて犯人に与えて、共感は無理にしてもなんらかの感情移入を可能にしているあたりがミソ。下世話な興味もあって観たら、形式はホラー映画だったけど実は根本に大変普遍的なものが潜んでいるのではないかという問いを投げかけられてしまった気がする作品でした。割と普通の目線で事件を追えたし、そんな、誹謗中傷にあたるようなものではなかったと思うし。まあ、「ローテンブルクで尋常じゃない方法で人を殺し、その死体を解体して喰った男」といったらどこの誰だか特定できてしまうわけだけど。でも、報道を含めたノンフィクションならともかく、フィクションが描写する人物とモデルとなった人物とが本気で同一視されるもんかな?

製作会社は「芸術表現の自由」をかけて違憲抗告で連邦裁判所に持ち込んだ模様。
ちなみにドイツの外では活発に映画祭上映('06年ルクセンブルク、カタロニア、'07年プチョン、スウェーデンなど)、DVD流通('07年にデンマーク、フィンランド、豪州、 '08年にUKなどで発売)しています。さすがに劇場公開はないみたいだけど。




フランクフルト・アム・マイン高等裁判所2008年7月9日発表記事(原文

高等裁判所、映画 "Rohtenburg" の上映禁止を追認

2008年6月17日の判決言い渡しをもって高等裁判所は、「ローテンブルクの喰人鬼」として知られるようになった原告の訴えに基づき、被告が製作した映画作品 "Rohtenburg" の上映と流通を差し止めるというカッセル地方裁判所の判断を追認した。

当該映画作品の上映により原告の人格権が侵害されるということが、カッセル地方裁判所と当高等裁判所第14民事部との一致した見解である。当該作品で描写された行為、現在明らかになっているところでは謀殺で有罪判決を受けているといって、ホラー映画の題材となり、観客にその主人公と同一人物であると認識され得ることを甘受する必要はないのである。基本法で保護される芸術表現の自由を被告は根拠にしているが、当該事件における諸事情で最も重きを置くべきは、原告の人格の保護である。

判事会は2006年の略式手続における仮処分(事件番号 14 W 10/06 2006年3月3日判決)を追認した。

連邦最高裁判所への上告が受理されたため、本判決は最終決定ではない。
上記の高等裁判所判決全文はwww.rechtsprechung.hessen.deにて閲覧可。
ドイツ語だけど判決文全文pdfあり]

フランクフルト・アム・マイン高等裁判所、2008年6月17日判決 事件番号14 U 146/07
(原判決はカッセル地方裁判所、2007年7月5日判決 事件番号8 O 1854/06)

高等裁判所判事 Ingo Nöhre 発表




日刊紙 Der Tagesspeigel がこの判決について伝えている記事(原文)。

2008年7月9日13:06
カニバリスト映画 "Rohtenburg" 上映禁止覆らず
フランクフルト高等裁判所の見解によれば、映画 "Rohtenburg" は「ローテンブルクの喰人鬼」として知られるアーミン・マイヴェスの人格権を侵害しているとのこと。判事は2006年の仮処分を追認。

フランクフルト・アム・マイン発:カニバリストを描いた映画 "Rohtenburg" はドイツ国内上映禁止のまま。フランクフルト高等裁判所の水曜(7月9日)の報告によれば、当該裁判所はカッセル地方裁判所の判決を追認した。判決では、当映画は「ローテンブルクの喰人鬼」アーミン・マイヴェスの人格権を侵害しているとのこと。ヘッセン東部ローテンブルク出身のこの男は、43歳の男の性器を合意の上で切り取り、死に至らしめ、その死体を食べている。

高等裁判所の判決では、原告マイヴェスが、たとえ当該映画で描写されていた行為、謀殺で有罪判決を受けているからといって、ホラー映画の題材とされることを甘受する必要はないとのことである。基本法で保護されている芸術表現の自由より、原告の人格権の保護を優先させるべしとしている。高等裁判所は、2006年同裁判所が下した仮処分を追認した。連邦最高裁判所への上告が受理されたため、本判決は最終決定ではない。


ラベル:Thomas Kretschmann
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2009年05月30日

Rohtenburg 関連記事(5)

映画 "Rohtenburg" の訴訟関連続報。
作品主人公のモデルとされる服役中の殺人犯が訴訟を起こしドイツ国内配給・上映禁止の仮処分(ドイツで公開直前の2006年3月)およびその追認(2008年6月)が下ったことに対して、製作会社が連邦裁判所に「芸術表現の自由の侵害」として違憲抗告した結果が出ました〜。ドイツでも上映可能になりましたぜ。
さすがに連邦最高裁判所判決ともなると、国際的に配信されてます。
ドイツ食人男を描いた映画、同国での公開決定 AFPBB News
でもこれ、元になった事件に関しては詳しいけど、いまいち薄味な報道な気が。製作会社 Atlantic Streamline が上映禁止処分に対して「芸術表現の自由の侵害」として違憲抗告したという点ははずせないと思うんだけど。なぜマーティン・ヴァイス監督作とかトーマス・クレッチマンやトーマス・フーバー出演とかの情報がさっぱりでてこないんだかはともかくとして、なんで大元の連邦最高裁判所プレスリリースをカバーしないんだか。↓


連邦最高裁判所2009年5月26日発表記事(原文

2009年5月26日付連邦最高裁判所広報プレスリリースNo.113/09
「ローテンブルクのカニバリスト」を描いた映画作品、上映を許可

原告は自身の犯行に関する新聞報道を通じて「ローテンブルクのカニバリスト」として知られており、謀殺罪に対して終身禁固刑が確定していた。原告は2001年3月、1人の男性を殺害し、遺体を食肉に供するよう解体処理、冷凍保存し、その後一部を食用した。被告はこの犯行を基に「実話に基づくホラー映画」と銘打った作品 "Rohtenburg" を製作した。当該作品主人公の生活史と人格の特徴ならびに犯罪行為の描写が、実際の事件経過および原告の実際の履歴と細部に至るまでほぼ合致している。原告は原告で、「世界的流通を前提とした、詳細な独占公開内容の」伝記を作成すると、ある製作会社と契約を結んでいた。

原告は当該作品の上映および流通差し止めを請求している。一審二審ともに原告の請求は認容された。

被告が上告したことにより、特に人格権全般について扱う第6民事部で審議した結果、原判決を破棄し、原告の請求を棄却した。当該映画作品は登場人物としての原告に著しく不利となりかねないという訴えは、激しく扇情的な様式で犯行を再想起することになるためもっともである。よって、原告の人格権と、芸術・映画表現の自由を原告の人格権よりも優先すべしとする被告の主張を最大限両立するよう検討することが望ましい。また、大衆はこの犯行に興味を寄せ情報を欲しているとされる。当該映画作品は逸脱性や異形性を描いたわけではなく、原告の人間としての尊厳を要求されるいわれはないとされている。確かに諸描写は、無闇に触れられるべきでない、原告の私的領域の核に言及していた。だが、これらの情報は犯行および加害者の人格に密接な関連があると考えられることから、このような詳細描写も許されよう。その上、すでに周知の通り、大衆にすべての細目が知れ渡っているのはそもそも原告の寄与によるものである。原告は、新情報が描写されていた、あるいは原告にとって不利なエピソード――特に原告の社会復帰に関して――が追加されたとは弁明しなかった。

2009年5月26日判決 VI ZR 191/08
カッセル地方裁判所、2007年7月5日決定 8 O 1854/06
フランクフルト(aM)高等裁判所、2008年6月17日決定 14 U 146/07

2009年5月26日 カールスルーエ
連邦最高裁判所広報




2009年5月26日の第6民事部判決文(ドイツ語)の全文pdfファイル公開中。

うーむ、接続法がいまいちあやしい。こういう判決文だと事実と原告側被告側の意見をすっぱり分けて書いてあるから、接続法を意識して訳さないとわけわからん状態になります。

事件報道等、第三者が収集した個人情報のみを利用して製作した作品だったら人格権の侵害にあたったんだろうけど、自らグロビデオの一部をインターネットで配信してたり、事件についてのドキュメンタリー製作に関わってたりするからねえ。てめーで意図してばらまいた情報を利用されても文句は言えないということでしょうか。とりあえずは公明正大にドイツでも映画上映できるようになってなにより。

作品 "Rohtenburg"(または "Grimm Love")そのものはせつないホラー。殺人&食人に至るまでは結構せつないです。ホラーたるゆえんは、食人が一度は愛の手段であったのがいつの間にか目的化していたというところ。満たされぬ飢えを未来永劫抱えることになる男の後ろ姿に震撼。個人的にはレオニード・ニコライヴィッチ・アンドレイエフ「ラザロ」(または「ラザルス」)とか山岸涼子「汐の声」級のホラーだと思ってます。自分の力じゃどうにもできないことが際限なく続くって、恐いと思うのよ。
日本でもぜひ公開になってほしいものです。DVDスルーでもいいから!
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