2005年02月21日

シラノ・ド・ベルジュラック

メルボルンではMTCの Cyrano de Bergerac が23日からいよいよ本開幕。生ウェナムを観に行かれた方の日本語レビューを心待ちにする毎日でございます。3月後半になってから行く方のほうが多いのかな。
さて、観に行けない身ながらも一応シラノの予習。ありがとう、DW。おかげで読まず嫌いの本を読むようになったよ。ロスタンの「シラノ・ド・ベルジュラック」も、実は今まで読んだことがなかったのさ。
シラノといったら、巨鼻の持ち主、剣の腕がたって詩才にも富み、美しい従妹ロクサーヌへの恋慕の情を押し隠しつつ色男クリスチャンの黒子になった奴、高邁な恋愛に殉じた聖人君子かと思っていたのだが、大間違いであったよ。
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2005年04月21日

Oh Fuchsia, you leave me breathing like the drowning man♪

などと The Cure の古い歌をくちずさみつつ、 Three Dollars 原作をあっぷあっぷしながら読み進め(というか読みとばして)、やっとこさ半分を越えたあたり。

エディ君、なにげにgifted? いやー、賢くて他人の話をちゃんと聴ける低め安定型の善人というのは、いいなあ。(って、これ、まんまDWの特性では。)一家に一人欲しいわ。しっかし、ほかの登場人物のみなさんも超頭いいし、アカデミックすぎ…ソフォクレスって、ハーディって、熱力学の三法則って、食べられますのん? という感じでついていけまへん。めそめそ。映画化で主要場面となっているのは半分から後ろのようなのでふんばらねば。
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2005年05月03日

Three Dollars 原作とりあえず読了

The further we go, and older we grow, the more we know, the less we show♪ となんとなくThe Cure の "Primary" なんぞを口ずさみつつ豪快に読み飛ばしてなんとかE.パールマンの "Three Dollars" 読了。
終盤私の頭のなかでぐーるぐる鳴り響いていたのは、Joy Division の "Dead Souls" と D. Bowie の "We are the dead"。おまけに某CMソング「お金はだいじだよ〜」。ハートウォーミングな話ではないというか、むしろブラックだと思う〜う、う〜う。以下ネタばれ含みます。
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2006年05月15日

Dancing with the Devil / Answered by Fire

デイヴィッド・ウェナム出演の Answered by Fire 5/21, 27および5/28, 6/3豪ABCでTV放映。日曜と土曜の放映とは変則的な。5月20日の東ティモール独立記念日(2002年正式に独立)のあとに放映なのね。

1975年にインドネシアに武力侵攻を受け統治下に置かれていた東ティモールで1999年行われた独立の是非を問う国民投票のときに国連文民警察官として派遣されていたDavid Savage の手記 "Dancing with the Devil"(ISBN1876924101) 、とりあえず読了。現東ティモール大統領のシャナナ・グスマン Xanana Gusmão(前は「グスマオ」表記だったけど、ポルトガル語読みで「グスマン」が正しいらしい。サンパウロ São Paulo と同じ要領の読み方)が序文書いててびっくりだあ。

著者の David Savage は1963年生まれ、モザンビーク国連派遣の経験もあり東ティモールに興味を持っていた豪州州警察官で、1999年5月会談のために東ティモールからキャンベラに来ていた親インドネシア、つまり併合派の政治家の要人警護なんかの経験もあり(あとでこれが役に立ったりしている)。国連の文民警察官募集にほいほい応募して行った人。海外派遣野郎の例にもれず好奇心旺盛でノリがよく、ストレスはためこんだりしないで遊びとブラックジョークで発散だー!という人の印象。深刻な事件の対処に追われてもちゃんと寝て飲んで食って買い物に行って、と心身ともに強靭なお方ぢゃ(銃撃の最中にも非武装で応戦もできずすることもないので、仲間の文民警察官と作りおきのシチュー食ってたりする)。甘いもの、特にチョコレート必須!というところがぷりてぃー(奥さんからの結婚記念日のプレゼントも子どもたちからの父の日のプレゼントもチョコだ)。のちに州警察を辞して、国連職員として再度東ティモールに行ったそうです。とすると、少なくとも1999年10月以降、国連東ティモール暫定統治機構UNTAETの一員でってことかな。

この手記は著者がインドネシア領西ティモールとの国境沿いの東ティモールボボナロ県マリアナに国連文民警察官として派遣されて脱出するまでの1999年7月から9月にリアルタイムで書いていた文章ではなくて、着のみ着のまま退避した後、無力感に苛まれ落ち込んでいた時期に奥さんに勧められてリハビリとして書いた文章とのこと。事件の日時などは、同じマリアナに派遣されてた別のオージー文民警察官の日記を参考にさせてもらったそうです。

ちなみに本のタイトルのDevilは、東ティモールにいた司祭の言葉、

Maliana, the place where the devil resides


から。

著者の主観的要素を盛り込みつつ、国民投票のために国連から派遣された職員の安全確保・危機管理に携わる立場から見た、有権者登録所のセットアップ、登録、投票、開票、インドネシア併合派による独立派や国連職員への脅迫や独立票が大多数と結果が出た後の焦土作戦の一端の記録が中心となっています。同じ宿舎で寝食をともにした各国派遣職員の愉快なエピソードもたくさんあり、全体におちゃらけた表現だらけで(時には不謹慎すれすれ)笑って読めるのだけど、よく考えるとブラックジョークで笑い飛ばさなきゃやっていけないほどしんどい体験てんこ盛り。
以下本のネタばれあり
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2006年10月14日

Five Roundabouts to Heaven

DW出演予定の現在製作中の映画 "Marriage" の原作本(だと思う*)読了。
* imdbに載ってる役名、前は小説と同じ役名だった記憶があるんだけど、最近は全然違う役名になっていてびっくり。

原作者のジョン・ビンガムは、この本に序文を寄せているジョン・ル・カレに物書きの道を勧めてくれたMI5の大先輩で、主に英国内の公安関連の仕事を地道にやっていた人、かつ、『ジョージ・スマイリー』のモデルの一人だそうです(って、ル・カレ読んでないからスマイリーがどんな人物かよくわからんが)。
派手なアクションがあるわけでもないし、超人やサイコパスが出てくるわけでもなく、ごく普通の人がどつぼにはまってぐるぐる考えてるシチュエーションの心理描写がけれん味なく描かれた、とても身近に感じてしまうサスペンス小説。
ル・カレ曰く「ビンガムは whodunnit より whydunnit に重点を置いている」に納得。
極力ネタばれをさけつつ感想。
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2007年08月26日

奇術師

映画「プレステージ」原作のクリストファー・プリーストの小説「奇術師」、いやー、おもしろい!一気読みとまではいかないけどかなりの勢いで読了。芥川の「薮の中」のような、同一事象についての各人物毎の主観の開示、しかもある「装置」をめぐって時代を超えて関連する事象についての多段構えの開示という構成がすばらしい。奇術師というのは目の前のものがすべてであるかのように相手を幻惑するわけで、その奇術師が綴った手記を通して本当のことを垣間見る、でも、本当のこと全部が見えているわけではない、というところにこちらの情報収集力と想像力をかきたてられてスリリング。幻想SF小説でもあると割り切れば、テスラの「装置」の機能も効果的。奇術「瞬間移動」をめぐる人々の妄執の動機や妄執が招いた結果におののく心理の描写も手記でさらっと触れられるだけなんだけど、それがかえってこちらの想像力をあおって読み応えがありました。以下ネタばれ感想
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posted by dada at 02:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 【原作本】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月15日

もう着いた

ひとつ前のエントリーで注文してた「女教皇ヨハンナ」のドイツ語版 "Die Paepstin"、意外にも、もう到着。

映画の主演ヨハンナ・ヴォカレクの壮麗な教皇姿が表紙のペーパーバック、DVDのトールケースくらいの大きさで厚さ3cm強、映画の主要人物配役と製作陣情報が1ページ、あとは、小説全章と、女教皇は実在したか?についてのクロス女史のエッセイ、この小説についてのFAQ。当然ながら全部ドイツ語 orz。真ん中にカラーページがあって映画のスチル写真や撮影風景28点。DW的には公式サイトや巷で見かけたスチルばかりで目新しいものなし。白黒のゲロルト様ショットが実はヨハンナとの2ショットであったが。ローマでの聖職者たちの衣装やセットが豪華です。写真で見る限り、聖職者役の人はちゃんとトンスラにしたみたいです。セット前で監督と2ショットの普段着姿のジョン・グッドマン、キャップかぶっているし、彼もちゃんと剃ったのではないだろうか。
原作は、知に魅せられたある女の一代記という縦糸に歴史的事実をもとにした魅力的なキャラやエピソードを巧妙に織り込んだ小説。男という存在/女という存在、キリスト教/異教の間で葛藤するヨハンナが主軸。それに加えて彼女が知を求め転々とする先々で出会う人々との種々のエピソードがてんこもり。お素敵なゲロルト様のほかにも、ヨハンナに字のてほどきをした早世した賢い長兄、理解ある学問の師など、少女ヨハンナの力になる者もいれば、僻村の司祭であった父親も含めドグマに凝り固まり足を引っ張る奴、トウシューズに画鋲入れるタイプの奴もいる。最初は反目しつつもお互いに認め合うようになるツンデレな奴もいるし、質実剛健で高潔な教皇もいれば人間臭くて人好きのする性格だけど肝心なときにダメダメな教皇もいるし、キャラのたったおやぢがわんさか。大河ドラマで全エピソード映像化してもらいたいくらい。映画だと、2時間半近いとはいえ、かなりはしょられてるんだろうなあ。配役表に教皇レオ4世の名が見当たらないということは、ボルゴの火災ははしょるのかな。やはりヨハンナとゲロルトをある程度中心に据えるとなると、サイドエピは刈り込むしかないか。

クロス女史は公式サイトや公式イベントでわりと気さくに読者と交流の機会を持つ作家みたい。FAQなんかも読者と女史との一問一答集らしい。この1/27にもワシントンDCでサイン会と映画特別上映があったそうな(http://www.popejoan.com/参照)。いいなあ、特別上映。

imdb見ると一応英語圏でも劇場公開の権利を買った配給会社がいるようだけど、ドイツ語圏外での映画 "Die Paepstin" 興行の情報が今のところ全然ない。2010年後半の公開なのかしら。ドイツではDVD発売が4/8ということなので、まずはDVD購入かな。でもドイツ語音声のみでDWの声が吹き替えというのは少々くじける。もし英語のインターナショナルリリース版なんぞが出てDWが自分の声でやってるならばそっちのほうがいいんだけどなあ…悩む。
ラベル:David Wenham
posted by dada at 21:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 【原作本】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする